仕事が遅い人に困っている人
職場に、仕事が遅い人がいて困る。こういう人って、そもそもなんで仕事が遅いんだろう。いい対処方法があれば知りたい。
- 仕事が遅い人の特徴・原因がわかる
- 仕事のスピードを飛躍的に上げる方法がわかる
私は、現在Webマーケター/コンサルタントとして、4~5件のクライアント様の案件を担当しています。わりと業務量多めだとは思いますが、8ヶ月間、定時退社を死守しています。
仕事の速い人、遅い人の違いは技術的な部分もありますが、大きな要因は「考え方」です。本記事では遅い人の特徴を理解しつつ、考え方を変えてスピードを上げるコツをお伝えします。
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本記事の内容
仕事が遅いと言われる人の特徴・原因
大きく8つに分けられます。
今まで、医薬品、教育、ITという異なる業界を経験してきましたが、「仕事が遅い人」はいずれもこの特徴に収まるようです。
仕事が遅い後輩や部下に対して、「なんでこんなに遅いの?」と言っても始まりません。まず、なぜ遅いのかを分析してみましょう。では、それぞれ見ていきます。
その1.ゴール設定ができない
1番大きな原因は、「仕事のゴール設定ができないこと」だと感じます。
ゴールを明確に設定していないと、「やらなくていいこと」をやりがちになります。とはいえ、ゴールを設定してと言われても、いまいちピンとこないと思います。そこで、次の3つのポイントを「言語化」してから仕事に取り掛かるとスムーズです。
- 狙いは何か
- どれくらいのクオリティを求められるか
- 期限はいつか
詳しい言語化の仕方については、記事の後半で詳しく解説しています。明らかにゴール設定できないのが原因という場合は、一気に下までジャンプしてください。
≫「ゴールまでのフローを組む」へジャンプ
その2.とりあえず取り掛かる
仕事が遅い人は「とりあえず着手」する傾向にあります。
その1の「ゴール設定ができない」に通じる部分もありますが、なぜその作業をやっているのか、着地はどうなるのかがわからないまま進めている人が多いようです。
よく聞くセリフが「こうやってと頼まれたから」というパターンです。指示者の意図が伝わってないので、作成物が出来上がったときに「思ってたのと違う。やり直し。」ってなりやすいんですよね。
その3.手詰まりになるとフリーズ
とりあえずやってみた結果、わからなかったり、必要資料が揃っていなくてフリーズしてしまうのも特徴的です。
こちらも、「ゴール設定ができない」人に多いですね。予期せぬ事態が起こると固まってしまいます。ならばやることは簡単です。手順を想定しておくこと。後半で解説しています。
その4.ミスが多い
ミスが多くて結果的に仕事が遅くなっている人もいます。ミスにも色々タイプがありますよね。
- 指示者との認識齟齬
- ケアレスミスのような単純なもの
仕事が遅い人は、とくに「指示者との認識齟齬」が多いかもしれません。なので、大きな手戻りが増える。はじめに業務フローを作成し、指示者に確認すれば基本的に防げるので、やはりフロー化は効率的ですね。
ちなみに、ケアレスミスはある程度は仕方ないかもしれません。どこまで気を使ってもヒューマンエラーは出ます。なので、効率的に防ぐなら、最速でタスクを処理した後に複数人のチェックを入れることです。なるべく多くの目を入れることで、エラーは減ります。
その5.工数管理にうとい(丁寧だけど遅い)
工数に関してあまり意識していないのも、仕事が遅い人の特徴です。
「コスト=お金」という認識だけでいる場合が多いです。もう1歩踏み込んで、「コスト=お金=労働力」と考えられるといいかもしれません。自分がその仕事にかけている労働力自体が、会社にとってはコストということを認識すると、効率的に仕事を進められます。
こだわりが強すぎたり、丁寧すぎて仕事が遅くなっている人は、「労働対効果」を考えましょう。(記事の後半で詳しく解説してます)
その6.残業が当たり前になっている
わりと多いかもしれませんが、「平常運転で残業あり」の人は仕事遅い傾向にあります。
明らかな人手不足の場合を除いて、毎日残業は能力不足が原因です。こう聞くと、「業務量が多いんだからしょうがない」と言われそうですね。定時でこなしきれない業務量を常に引き受けてしまう人は、果たして手持ちのタスクにかかる時間を管理できているでしょうか。
タスクの管理をしやすくするためにも、本記事で紹介する対策はおすすめです。
その7.メールやチャットの返信が遅い
仕事が遅い人は「メールやチャットなどの返信も遅い」です。
目の前の仕事でいっぱいいっぱいになっていて、つい後回しにしてしまうようです。それならば、いっぱいいっぱいにならないような対策をすればOKですよね。
コツは「タスクの細分化」です。1つの大きなタスクをいくつかに分けます。そうすれば、タスクとタスクの間にメール対応の時間を入れるというような、スケジューリングが可能です。
とはいえ、これだけだとわかりずらいと思うので、詳しくはこちらの記事をお読みください。
「仕事に集中できない」は終わり【集中する3つのコツ】その8.例外的に病気の可能性も【うつ病や強迫性障害】
仕事が遅い人の中には、もしかしたらこころの病気になっている人もいるかもしれません。
- うつ病→集中力や思考力の低下、倦怠感
- 強迫性障害→ミスしてはいけないと極度に思い、完了できない
たとえば上記のような場合があります。仕事場でそんな人がいたら、プレッシャーをかけず対策を。
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遅い人の仕事のスピードを上げる改善法
仕事のスピードを上げる改善法は、次の3つです。
- ゴールまでのフローを組む
- 即マニュアル化
- 労働対効果を常に考える
ゴールまでのフローを組む
以下の手順でゴールまでのフローを組みましょう。
- ゴールの言語化
- 作業フローを作成
- 見込み工数の算出
フローを組むメリットは、「余計な作業が減る」「目の前のことに集中できる」です。
では、1つずつ手順を深掘りするために、具体例に以下を設定して解説していきます。
今期のチーム売り上げ報告の資料作成
ゴールの言語化
まずは、ゴールの設定です。次の3つのポイントを「言語化」してから仕事に取り掛かるとスムーズです。
- 狙いは何か
- どれくらいのクオリティを求められるか
- 期限はいつか
わざわざ言語化する理由は、やるべきことがかなり明確になるためです。言語化できていないと、ふわっとした状態で仕事に取り掛かることになるので、基本的に余計な作業が増えてしまいます。
では、今回の具体例「今月のチーム売上報告の資料作成」をあてはめていきます。
■狙いは何か
→来月の目標と施策を考えやすくする
■どれくらいのクオリティを求められるか
→部会で使う社内資料なので、見やすければOK
■期限はいつか
→来週の金曜日が部会なので、3営業日前の火曜日15:00にリーダー提出
まず狙いで、「来期の目標と施策を考えやすくする」ということを明確にしました。ということは、前年度比、前期比、顧客の獲得経路のデータを揃えつつ、報告したほうが伝わりやすいですよね。これで、揃えるべきデータがわかりました。
そしてクオリティ。お客さんに渡す資料でなければ、色やフォント、細かい配置などは気にしなくてOKです。あくまで社内で施策を練るための材料になればいい。これを明確にすることで無駄な作りこみで遅くなるのを防げます。
期限についても、ギリギリに設定はしないほうが無難ですね。また、時間まで決めたほうがいいです。面白いことに、職場の同僚10人に聞いたところ、「○日までに提出」とした場合、その日中に提出が7人、前日までに提出が3人で、人によって認識がバラバラでした。不要なトラブルは避けましょう。
作業フローを作成
ゴールが明確になったら、そこまでのフローを作ります。
手順が明確になれば、最小の手数でスムーズに作業できるうえ、「即マニュアル化」もしやすくなります。
では、「今月のチーム売上報告の資料作成」を例にした具体的なやり方です。コツとして、「ゴールの構成要素を分解する」と簡単です。要素をまとめると、こんな感じですね。
- 今月の売上データ(顧客の獲得経路つき)
- 前月の売上データ
- 前年度の売上データ
- データ分析コメント
- 会議用のちょっとしたトークスクリプト
では、フローを作ってみます。
- 2018/10/1~2018/10/31(前年度)
- 2019/9/1~2018/9/30(前月)
- 2019/10/1~2019/10/31(今月)
それぞれのCSVでフィルタをかける
横軸:月日、縦軸:売上
3つのグラフをパワポに貼り付けつつ成型
ここまでやっておくと、手詰まりが起きそうな場所も想定できるのでスムーズです。
見込み作業時間の算出
フローを作るとすぐに取り掛かりたくなりますが、「作業時間」の算出は大切です。
作業時間の算出には、次のメリットがあります。
- タスクの大きさがわかり、過剰タスクを防げる
- 算出した時間通りに作業を進行させる意識が働く
今回の「今月のチーム売上報告の資料作成」では以下のようになります。
■今月のチーム売上報告の資料作成:合計4時間
以下、内訳。
- 社内管理システムより、3期間を指定してCSV出力:0.5時間
- 自チームのデータのみ抽出:0.5時間
- 折れ線グラフを作成:1時間
- 3つのグラフをパワポに貼り付け成型:0.5時間
- データ分析コメント作成:0.5時間
- トークスクリプト作成:1時間
規模感としては、午前中に集中してやれば終わるタスクですね。ここまでできたら、あとはフローと時間を守ってやるだけです。
即マニュアル化
自分が1度やったタスクは速攻でマニュアル化しておきましょう。
マニュアル化するメリットは次の通り。
- タスクを終えてみて、無駄なフローがなかったか見直せる
- 久しぶりに同じタスクをする時に迷わない
- 誰かにお願いする場合や、引継ぎに超便利
フローを作成していれば、それを少し精査するだけでマニュアルが出来上がります。基本的には社内資料なので、そこまで作りこむ必要はないです。私はすべてテキストでメモに作成しています。
誰かに仕事を依頼する際に、そのファイルを共有すればOKなので重宝します。
労働対効果を常に考える
「そのタスクに労力をかけて、会社にメリットがあるのか」という、労働対効果を考えること大切です。
例えば、今回の例のように社内資料を作成することは、直接収益にはつながりません。社内資料は、あくまで間接要因です。
なので、資料のレイアウトを整えたところで、収益に与えるインパクトはほぼないですよね。
逆に、直接要因なら、ある程度時間を確保して作りこんでもいいかもしれません。例えば、新規契約獲得のコンペ資料や、リピーターを増やすためのサービスとかです。
労働対効果を基準に考えれば、自分の仕事の質とスピードのバランスが見えてきます。
仕事が遅くてクビにはできない。上手に対策するのが吉
本記事で紹介した対策を実装するだけで、業務効率はかなり上がるはずです。
「仕事が遅い」と部下や後輩を不満に思おうが、基本的に会社側はそれをクビの理由にはできません。なので、仕事が遅い人には上手に対策していきましょう。
迷惑に感じてるだけでは悪化するばかり
「あいつ、仕事遅くて迷惑だな」と思っているだけでは、改善しません。
むしろ、そういった感情は無意識に態度に出てしまうので、遅い人へのアタリが強くなってしまいます。すると、周りからのあなたへの評価が下がってしまいます。いいことないですよね。
ここで、具体的な対策を実施すると、以下のメリットがあります。
- 遅かった人の仕事のスピードが上がる
- チーム単位の負担軽減
- 対策を実施したあなたの評価が上がる
後手に回ってフォローより、事前に仕組み化を
スムーズに仕事を行うために「事前の仕組み化」が大切です。
仕事が遅い人のフォローが大変という意見をよく耳にしますが、それはかなり効率悪いです。フォローということは、仕事が遅い人はゴールを明確にしないまま仕事をした結果で、周りもそれを認識していなかったということになります。
ということで、本記事でお伝えした内容で対策してみてください。ゴール決めて、逆算してフロー設計をする仕組みを作りましょう。
とはいえ、仕事が遅い人はゴール設定などが苦手な場合が多いので、後輩・部下であれば、最初のうちは一緒に作成してあげるといいかもしれませんね。
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